• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1995 年度 実績報告書

ネストしたスピンゆらぎの理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07640477
研究種目

一般研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

三宅 和正  大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90109265)

研究分担者 成清 修  大阪大学, 基礎工学部, 助手 (60252631)
キーワードネストしたスピンゆらぎ / モット転移近傍の異常金属相 / V_2O_3 / 銅酸化物導体 / 反強磁性状態のクロスオーバー / 中間結合領域でのモット転移
研究概要

最近,モット転移の典型物質と考えられていたV_2O_3系の金属相において,銅酸化物の金属相で見られるのとよく似た異常なふるまいが報告されている.銅酸化物の金属相での種々の異常は2次元のネストしたスピンゆらぎの理論により統一的に説明することができるので,それを3次元の場合に適用した.その結果,2次元の場合に比較すると弱いが,銅酸化物と類似の異常なV_2O_3系のふるまいをコンシステントに理解することが可能であることが分かった。
銅酸化物の中間結合領域に属するのではないかということが,(もっともらしいパラメタの値をもつ)dpモデルに対してGutzwiller近似を適用した結果とNQRによる局所電子数密度の実験との一致から示唆される。そのような領域では,いわゆるモット転移の主な原因はBrinkman & Rice的な局所相関ではなくネスティングを伴う反強磁性相関にあると考えられる。一方,ハーフ・フィリングにおいては、T>T_Nにおいても電気抵抗はフェルミオンの一体励起に【less than or similar】eV程度のギャップが存在することを示している。これが矛盾しないことを示すため,3次元ハーフ・フィルドのハバ-ドモデルの反強磁性基底状態の性質のクロスオーバーを調べた.その結果,T〜T_Nにおいてフェルミオンの一体励起がギャップをもつ条件として,U>U_<cr>=1.64D(2Dはバンド巾),が得られた。これをBrinkman & Rice(または、d=∞理論)の臨界値U_<BR>=2.67D(3.0D)と比較すると,U_<cr><U<U_<BR>を満たす斥力Uはかなり広い範囲に分布し得ることを示している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] O.Narikiyo: "Itinerant-localized duality description of the spin fluctuations in the normal state of high-T_C cuprates. An explanation of neutron scattering experiments" Pyhsica C. 250. 295-300 (1995)

  • [文献書誌] O.Narikiyo: "One-Particle Spectral Weight of the Two-Dimensional Hubbard Model in the t-Matrix Approximation" J.of Phys.Soc.Jpn.64. 2290-2293 (1995)

  • [文献書誌] O.Narikiyo: "Nested Spin-Fluctuation Theory of Anomalous Metallic Phase of V_<2-y>O_3" J.of Phys.Soc.Jpn.64. 2730-2733 (1995)

  • [文献書誌] Y.Onishi: "Resonance State Localized around Nonmagnetic Impurity with Unitarity Scattering in Two-Dimensional d-Wave Superconductor" J.of Phys.Soc.Jpn.65. 675-678 (1996)

URL: 

公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi