平成8年度は、 1.電気化学合成法の銅酸化物超伝導体の単結晶育成への適用 2.電気化学合成法による非銅系酸化物の探索と超伝導化 を主題として重点的に研究を行った。 1.については7年度の予備的な実験に引き続き電気化学法による銅系酸化物の結晶育成条件を最適化し、La_2CuO_<4+δ>とNd_<2-x>Ce_xCuO_4の単結晶の作製に成功した。次いでHg系超伝導体などの高温で作製が困難な種々の銅系酸化物高温超伝導体の単結晶の合成を試みたが、Hg系などの酸化物超伝導体は成分として含まれているHgなどの蒸気圧が高く、現在のところ成功していない。より密閉した環境で合成ができるよう装置の改良を行っている。 2.については7年度に引き続き新しい秘銅系酸化物の探索・合成を試み、Mo系とRu系酸化物結晶(BaRuO_3など)の合成に成功した。現在、これらの系にキャリアド-ピングを試みている。
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