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1997 年度 実績報告書

低次元量子ハイゼンベルグモデルの基低状態の数値的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07640503
研究機関埼玉大学

研究代表者

飛田 和男  埼玉大学, 理学部, 助教授 (20133704)

キーワード量子ハイゼンベルグモデル / 空間構造 / ランダム / スピンギャップ状態 / 数値対角化 / 密度行列繰り込み群 / 量子モンテカルロ法 / ダイマー展開
研究概要

本研究では3年間の研究にわたり、様々な空間構造を持つ低次元量子ハイゼンベルグモデルについて、数値的手法を中心に研究し、以下の結果を得た。
1.梯子量子ハイゼンベルグモデルで鎖間相互作用の弱い極限での臨界現象を密度行列繰り込み群(DMRG)を用いて明らかにした。
2.1次元ランダム量子系にDMRGを適用する方法を開発し、1次元ランダム量子反強磁性ハイゼンベルグモデルにおけるランダムシングレット相の存在を確証した。現在、さらに準周期系などにも拡張して研究を進めている。
3.1次元ランダム量子反強磁性ハイゼンベルクモデルに強磁性ボンドが入ったときの低エネルギー状態をDMRGを用いて調べ、比熱や帯磁率の温度依存性を議論した。
4.ボンド交替のある1次元ランダム量子反強磁性ハイゼンベルグモデルをDMRGを用いて調べた。基低エネルギー、エネルギーギャップ分布、ストリングオーダーなどのボンド交替に対する依存性を求め、スピンパイエルス不安定性がランダムネスによって抑えられることを示した。
5.1次元強磁性・反強磁性交替ボンドハイゼンベルグモデルの有限温度磁化過程を1次元ボゾン系への変換と量子モンテルカルロ計算を併用して明らかになった。
6.2倍・4倍の空間周期の共存するスピン1/2の1次元ハイゼンベルグモデルの基底状態を数値対角化法により調べ、相図と臨界指数を求めた。さらに、これに基づき、スピン1/2のダイマー化転移とスピン1のハンデル・ダイマー転移の関係を明らかにした。現在、異方性及び磁場の効果について研究を進めている。
7.スピン1/2の2層量子反磁性ハイベンベルグモデルの基底状態と励起スペクトルに対するフラストレーションの効果を修正スピン波近似やダイマー展開放を用いて調べた。フラストレーションの強いところでは層間相互作用が弱いところまでスピンギャップ状態が残ることを示した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Hida: "Interacting boson theory of themagnetization process of the spin-1/2 ferromagnetic-antiferromagnetic alternating Heisnberg chain" Journal of the Physical Society of Japan. 67(記載予定). No.4 (1998)

  • [文献書誌] K.Hida: "Density matrix renormalization group study of random dimerized antiferromagnetic Heisenberg chains" Journal of the Physical Society of Japan. 66. 3237-3241 (1997)

  • [文献書誌] K.Hida: "Low energy properties of the random spin-1/2 ferromagnetic -antiferromagnetic Heisenberg chain" Journal of the Phydical Society of Japan. 66. 330-333 (1997)

  • [文献書誌] K.Hida: "Density matrix renormalization group method for random quantum one-dimensional systems - Application to the random spin-1/2 antiferromagnetic Heisenberg chain -" Journal of the Phydical Society of Japan. 65. 895-898 (1996)

  • [文献書誌] K.Hida: "Modified spin wavre theory of the bilayer square lattic frustrated quantum Heisenberg antiferromagnet" Journal of the Physical Society of Japan. 65. 594-600 (1996)

  • [文献書誌] K.Hida: "Density matrix renormalization group study of the spin 1/2 Heisenberg ladder with antiferromagnetic legs and ferromagnetic rungs" Journal of the Physical Society of Japan. 64. 4896-4900 (1995)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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