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1995 年度 実績報告書

気体のポジトロニウム・ピックオフ消滅有効電子数の系統的測定

研究課題

研究課題/領域番号 07640524
研究機関東京大学

研究代表者

長嶋 泰之  東京大学, 教養学部, 助手 (60198322)

キーワードポジトロニウム / 気体分子 / ピックオフ消滅 / シリカエアロジェル
研究概要

ポジトロニウムが気体中にある場合、その多くは自己消滅するが、一部は気体分子中の電子とピックオフ消滅する。本研究では、種々の気体に対するピックオフ消滅率を、ポジトロニウムの寿命測定によって求めた。
ポジトロニウム生成には、シリカエアロジェルと呼ばれる物質を用いた。シリカエアロジェルはシリカ微粒子が3次元的なネットワークをなした物質で、これに陽電子が入ると、微粒子中で生成されたポジトロニウムが空隙に飛び出す。シリカエアロジェルを気体中に置けば、気体分子が容易に空隙に導入され、そこでポジトロニウムと相互作用する。シリカエアロジェル中ではポジトロニウムの生成率が高いので、これを用いれば、従来、数十気圧の圧力で行われていたポジトロニウムと気体分子の相互作用の研究が、1気圧程度の圧力でもになる。
寿命測定は、シリカエアロジェルを1気圧の気体中に置いた場合、および真空に置いた場合について行い、得られた消滅率の差から、ピックオフ消滅有効電子数^1Ζ_<eff>を求めた。
気体には、He、Ne、Ar、Xe、H_2、N_2、およびCO_2を用いた。
得られた^1Ζ_<eff>の値は、次の通りである。
He:0.11、Ne:0.25、Ar:0.34、Xe:1.24、H_2:0.16、N_ :0.25、CO_2:0.49
これらの値は、従来、高圧で行われていた結果よりもやや小さい。この理由として、シリカエアロジェルを真空中に置いて行われた測定において、ポジトロニウムが十分に熱化しておらず、そのため得られるピックオフ消滅率が大きくなったことが考えられる。そこで、次の計画として、熱化が速いHeをわずかに混合して測定することを計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 長嶋泰之: "Thermalizati of free positronium atoms by collisions with silica-powder grains,aerogel grains,and gas molecules" Physical Review A. 52. 258-265 (1995)

  • [文献書誌] 長嶋泰之: "Positron annihilation in a neutron irradiated α-Al_2O_3" Materials Science Forum. 175-178. 461-464 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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