植物培養細胞プロテプラストを用いて、筋収縮運動に重要な役割を果たしているアクチン線維が、植物細胞ではどのような場所に局在しているのか、特に細胞融合過程においてアクチン線維や微小管の生成消滅が細胞運動、細胞構築、再生機能とどう関わっているのかを高分解能超高圧電子顕微鏡を用いて詳しく調べた結果、電気細胞融合におけるアクチンフィラメントのネットワーク形成過程において興味あるデータを得た。即ち細胞同士が融合する接着面でアクチンフィラメントのリング状線維束の構造形成をとらえた。更にアクチンフィラメント同士を結びつけてネットワーク構築に重要な役割を担っているジョイント分子を見つけた。超高圧電子顕微鏡によるステレオ像の観察、フーリエ解析法によるノイズ除去などコンピュータ三次元画像解析によりアクチンフィラメントを結ぶジョイント分子のサイズ及び形状から見るとミオシン分子のサブフラグメント-1に類似していることがわかった。放射光源を用いたX線顕微鏡を開発し、真空中で水の窓と呼ばれている軟X線波長域で有効なWet Cellを作成し、生きたままのプロトプラストの融合過程を動画像計測した。時分割蛍光法により筋収縮時高速分子運動に関与するTrpの蛍光強度及び蛍光寿命が77K-300Kの温度領域で二相性を示すことを明らかにした。局所的構造変化を捕らえた。リゾチームの超高圧電子線回折像をフーリエ解析してコンピュータ画像解析法を検討した。
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