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1995 年度 実績報告書

920Km不連結面およびマントル遷移層の地震学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07640550
研究種目

一般研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

川勝 均  東京大学, 地震研究所, 助教授 (60242153)

キーワードマントル遷移層 / 920km不連続面 / J-array
研究概要

我々が発見してイギリスの科学誌Natureに発表した、マントルの深さ920km付近にある不連続面の研究を続け、今年度は以下のふたつの成果を得た。
(1)J-array及び米国カリフォルニアのarrayデータを使った新たな研究により、この不連続面の深さは当初考えていたよりも地域性があることがわかった。日本から小笠原弧にわたる沈み込み帯では南に下がるにつれて945kmから970kmに深くなるのが観測され、インドネシア弧下では西へいくに連れて940kmから1080kmに深くなるのが観測された。この深さ変化は、660km不連続面のそれと比較して2〜3倍大きく、もしこの不連続面が相変化によるものであるならば、温度依存性が非常に大きいことを示唆する。また、この境界が科学的な物質境界である可能性もおおいにあることを示唆する。我々の研究を受けて、沈み込んだ海洋プレートは、660kmでなく、920km辺りの深さにたまっているとする研究結果もいくつか提出されており、この新しい不連続面との関係も興味深い研究対象である。
(2)現在我々は、920km不連続面が全地球的に存在するのか、局所的に限られた地域にだけ存在するのかを調べるための新しい解析方法の開発に努めている。そのために開発した観測点直下のマントル不連続面の構造を決定する解析方法を、実験的に、日本および中国北西部の広帯域地震計観測点のデータに応用したところ、日本海溝から沈み込んだ海洋プレートがマントル遷移層の底にぶつかる中国北西部の地下深部660-780kmに、三つの複数連続面に相当する速度の異常があることがわかった。この複雑な構造は今まで考えられていたものとかなり違い、沈み込んだ海洋プレートがどのようにマントルに同化していくのかなどに示唆を与える新しい観測結果である。
(1)(2)については、日本および米国の学会で発表し、(2)については論文の掲載がすでに決定している。(1)については、現在論文を執筆中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Niu and Kawakatsu: "Direct evidence for the undulation of the 660-km discontinuity beneath Tonga:Comparison of Japan and California array data" Geophysical Research Letters. 22. 531-534 (1995)

  • [文献書誌] Niu and Kawakatsu: "Complex structure of the mantle discontinuities at the tip of the subducting slab beneath the northeast China:a preliminary" Jourral of Physics of the Earth. 44. (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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