研究概要 |
平成7年度と8年度に開発した, 1)同軸ケーブルの中間をアンテナカップリングさせる方式と, 2)地殻変動のデータを伝送する時間だけリレー接点を閉じる方式, 2種類の地殻変動データ伝送実験を名古屋大学理学部の豊橋と稲武観測点で持続し,長期安定性の検証を行った.その結果,2種類の方式が長期間安定に作動することを確かめた. 今年度,名古屋大学理学部の春野観測点の移設に伴い,同観測点のボアホール計器のデータ伝送システムとして両方式を組み込んだ.このことにより,現時点では,春野観測点は日本で最も耐雷性の高いボアホール計器の観測地点となった.組み込んだ伝送方式によりデータは地下500mの地点から順調に地表まで伝送されている. 今年度は,新たにデータ出力部にフォトカプラーを組み込み,地殻変動データ伝送システムの対雷性を増す実験を行い良好な結果を得た.また,平成8年度に開発した.同軸ケーブルによるアンテナカップリング方式を改良し,アンテナカップリングによる双方向のデジタルデータ伝送方式を開発を試みた.現在実験中であるが,この方式が完成すれば,データ記録部より,センサー部にデジタルの制御信号を送ることが可能となり,センサーの感度,サンプリング時間の変更,センサー部に蓄えたデータの再伝送等,インテリジェントなデータ伝送が可能になる.
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