研究課題/領域番号 |
07640569
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
吉田 次郎 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (30174931)
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研究分担者 |
千手 智晴 水産大学校, 漁業学科, 助手
長島 秀樹 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (10087570)
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キーワード | 二重拡散貫入 / ソルトフィンガー / 三陸沖合いフロント / MSP / エネルギー散逸 |
研究概要 |
1.二重拡散貫入現象を数値実験を用いて調べる上で基礎的な知識を得る為に、これまでに誰も行っていないソルトフィンガー型対流を三次元的に再現する数値計算を行った。その結果、 (1)不規則な形状を持つソルトフィンガーを再現することして成功した。 (2)数値実験で得られたフィンガーの幅は、線形安定論から予想された傾向と一致し、又、室内実験の結果を支持するものとなった。 (3)鉛直方向には温度、塩分が効率的に輸送されるが、それらを密度の輸送に換算した場合の輸送比率は室内実験から得られる値より若干低めの値となった。この事は計算領域、時間の制限等から、原因をはっきり特定出来ないが、今後の課題としては取り組んでいく予定である。 2.三陸沖合いにおける微細構造データ解析を続行した。又、今年度は微細構造観測機器(MSP)のデータ解析も併せて行った。その結果 (1)亜表層下150m付近から300m付近に高温かつ高温の貫入現象を捉えた。海域は親潮等1分岐南方のフロント域であった。 (2)この貫入現象はフロントに沿う方向に10km程度の拡がりを持ち、概ね等密度線に沿う形で分布していた。 (3)MSPによる観測では下層に向かうに従い、比較的大きなエネルギー散逸を観測した。これは、このような貫入に伴う混合現象の結果と考えられるが、詳しい解析は続行中である。 本年度中に、研究者らがこれまでに行ってきた二重拡散貫入現象の数値実験、室内実験の結果をとりまとめたものを、AGUの論文集に2編発表し受理され、出版された。又、1の結果については、ロシアにおける学会において発表し、又、概要を流体力学会誌に発表した。
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