人工衛生TOPEX/POSEIDONのマイクロ波高度計データから、海面高度を導くアルゴリズムを開発した。そして、毎月CD-ROMで送られてくるデータを、海面高度データに変換する作業を行っている。蓄積された1年半のデータから、フーリエへ解析を行い、年変動成分と半年振動成分を抽出した。年振動成分には、ステリック効果と呼ばれる、海水が暖まった為に膨張し海面高度が上昇する現象がはっきりとらえられた。すなわち、北太平洋の夏には、北半球の海面が高く、南半球では低くなる現象である。当然、冬にはそれとは反対の結果となる。特に興味ある点は、北半球の東太平洋の北緯10度近くでは、例外的に位相が反転、つまり、南半球と同期していることが分かった。今後、海洋大循環モデル等でその仕組みを調べる予定である。 熱帯域では、係留ブイから得られる海水温度データ(TOGAデータ)を解析し、複素EOF解析を用いて、赤道波の振幅や位相の特徴的な構造を調べた。今後、衛星データや、大循環モデルの結果と比較研究を行う予定である。
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