人工衛星TOPEX/POSEIDONマイクロ波高度計の軌道上の最新データを、引き続き処理し、北太平洋海面高度場の(1°×1°)のグリッドデータを3年の期間に渡り作成した。今年度は、前年度に調べた太陽加熱の季節変化に伴うステリック効果を、空間ハイパスフィルターを用いることにより除去し、その中に含まれる中規模擾乱の挙動について調べた。中緯度には、傾圧ロスビー波に対応する西向きの伝播を確認することができた。また、アメリカ気象局の毎日の風データを駆動力とし、海洋大循環モデルを走らせ、衛星データとの比較を行った。モデル計算にもうまく中規模擾乱の発生や伝播を再現できており驚くほど良い一致を見た。擾乱の伝播速度は、モデルが幾分遅い性質があるものの、その擾乱の発生場所や時間はよく一致している。モデルの出力には海面高度以外のデータも存在するので、更に解析を行い、擾乱の発生の仕組みなどを更に調べる予定である。
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