研究概要 |
本研究は深海環境を再現できる低温圧力容器内でCO_2水和物の生成、保存、拡散および分解の実験を行い、これをもとに深海処理の際のCO_2と水和物の長期安定性と、その対策に関する基礎データを得る事を目的とする。 本年度は研究の中心設備となる高圧CO_2水和物生成装置(断熱構造、耐圧32MPa、内容積約3000cc),並びに計測装置(導電率等)のシステムとしての計画、設計ならびに製作を行なった。本実験装置の特徴および製作上の留意点は次の通りである。これらは事前に実施した5MPaの中圧水和物実験装置による予備実験の結果を折り込んだものである。 (1)CO_2濃度計測センサーとしては超高圧環境であるため通常の溶解濃度計は使えない。そこで導電率の変化をキャッチする方法を採用した。 (2)低温環境はジャケット構造とした内外槽の内部に冷却水を循環させる方式とした。 (3)水和物生成がなされる下部には耐圧構造を持ったサイトグラスを4個設け液面変化の観察を行なう。 (4)CO_2とH_2Oとの界面での物理的安定度が重要なため、両液面が攪乱されることなく静置されるようにCO_2の注入方法に特殊手法を工夫した。 (5)強制的に水和物を生成するための攪拌装置を設けた。 (6)内圧が高いため本体構造はステンレス鋼の棒材からの削り出しとした。 (7)CO_2溶液の導電率とCO_2濃度との関係は予め規定溶液でのキャリブレーションカーブを準備した。 今後全体装置の試運転を行い各部の調整と全体バランスを取り実験開始予定である。
|