研究課題/領域番号 |
07640615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
海保 邦夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00143082)
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研究分担者 |
梶原 良道 筑波大学, 地球科学系, 教授 (80015578)
藤巻 宏和 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90133933)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 大量絶滅 / 多様化事変 / 炭素同位体比 / 有孔虫 / イオウ同位体比 / 粘土鉱物 |
研究概要 |
スペインのカラバカの白亜紀/第三紀境界の上下40cm間の堆積物試料について有孔虫殻の炭素同位体比、酸素同位体比、硫黄同位体比、Rock Eval、粘土鉱物の研究をした。その結果、海洋一次生産量の激減と中層水の溶存酸素量の低下が白亜紀/第三紀境界境界において起こり、その後千年以内に温暖化が低緯度表層水と陸上で起きたことが明らかになった。北海道の川流布の白亜紀/第三紀境界においても、溶存酸素量が境界粘土層において極小値を示すことを、以前報告したが(Kajiwara and Kaiho、1992)、今回の結果から、白亜紀/第三紀境界における溶存酸素量の減少がグローバルな現象である可能性が高くなった。 過去1億2千万年間の深海底生有孔虫について、中間的形態の発見に基づいた系統樹を明らかにし、アプチアン後期とコニアシアンからカンパニアンの2回、属レベルの多様化事変が起きたことを初めて明らかにした(Kaiho,in press)。 過去1億2千万年間の深海底生有孔虫について、試料中の最大の殻のサイズが気候変動と同調して変化してきたことを初めて明らかにした。また、属レベルでの最大の殻サイズについても同様の結果を得た。寒冷化により深海の溶存酸素量が増えたために、底生有孔虫の最大の殻サイズが増え、逆に温暖化により深海の溶存酸素量が減ったために、底生有孔虫の最大の殻サイズが減ったと解釈できる。 平成7年度から9年度にかけて、分子レベルの有機物分析と全炭素の同位体比測定を行うための研究設備を当教室の機器分析室に設置した。平成9年度に設備が整ったため、テスト試料により分析を繰り返し、分析精度の向上に努めた。その結果、数億年前以後の堆積有機物を分析する準備が整った。
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