研究課題/領域番号 |
07640631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
柴 正敏 弘前大学, 理学部, 助教授 (80125442)
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研究分担者 |
根本 直樹 弘前大学, 理学部, 助手 (20208292)
大貫 仁 弘前大学, 理学部, 教授 (00004317)
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キーワード | 日高変成帯 / 変成条件 / ブラニュライト相 / 温度-圧力-時間経路 / 泥質変成岩 / 塩基性変成岩 / アナテクシス / 部部融解反応 |
研究概要 |
平成8年度は、平成7年度に引き続き、地質調査、岩石採集、岩石薄片の作成、および岩石記載を行なった。グラニュライト相低温部のD帯、同相中温部E帯、および同相高温部のF帯で採取した塩基性岩30試料について、蛍光X線分析装置により全岩化学組成を、EPMAによりホルンブレンド、単斜輝石、斜方輝石および斜長石の化学組成を決定した。その結果、以下のことが明らかとなった。 1.角閃岩ミグマタイトの原岩の化学組成は比較的均一なものであり、未分化な玄武岩である。 2.E帯およびF帯の角閃岩ミグマタイト中のリューコゾームは、部分融解により形成されたもので、カルクアルカリ岩系列の分化経路を示す。 3.変成帯の東側(庶野や目黒地域)において、泥質岩に挟在し、少量産出する角閃岩はソラアイト系列に属する。 4.E帯およびF帯の角閃岩の鉱物組み合わせは、低圧での脱水融解実験(例えば、Beard and Lofgren,1991)の相平衡図と調和的である。したがって、本地域の塩基性岩のアナテクシスは、低圧(3〜4kbar)の条件下で、ホルンブレンドの分解を主とする、脱水融解反応によって進行したと考えられる。
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