• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

フリーラジカルの光分解ダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 07640694
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

戸野倉 賢一  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (00260034)

キーワードビニルラジカル / 画像観測 / 塩化ビニル / ジクロロエチレン
研究概要

中性分子の解離ダイナミクスは、多原子分子に至るまでこれまで幅広い研究が行われてきた。近年、大気化学反応及び星間化学反応において、不対電子を持つフリーラジカルの光化学反応がそれらの反応過程の中で重要な役割をしていることが示唆されている。本研究では、C_nH_mラジカルの解離機構に注目し、共鳴多幸子イオン化画像観測法により、その解離ダイナミクスについて研究した。
塩化ビニル(C_2H_3Cl)を(π,π*)状態に光励起するとビニルラジカル(C_2H_3)と塩素原子に解離生成する。この際生成するラジカルは、193nm〜210nmの波長領域で効率よく解離生成することが分かった。またビニルラジカルは、かなり振動励起した成分とそうでない成分の2種類あることが分かった。振動励起した成分の生成速度は角度分布の測定とRRKM計算により10^<11>〜10^<12>s^<-1>程度であることが見積もられた。
ジクロロエチレン類の紫外光分解では、C_2H_2Clラジカルの生成及びC_2H_2Clラジカルの自発解離に伴うC_2H_2ラジカルの生成が確認された。このC_2H_2Clラジカルの自発解離には波長依存性が見られ、短波長励起(193-210nm)では、生成したC_2H_2Clラジカルはかなり内部エネルギー(振動励起)をもつため、かなりの割合で二次解離を起こす。193nm励起については、ほぼ100%二次解離を引き起こすことが分かった。長波長励起(225-235nm)でも収率こそ少ないが、C_2H_2Clラジカルの二次解離が確認された。

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi