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1995 年度 実績報告書

包接機能を有する多次元無限骨格錯体の創製とその機能発現

研究課題

研究課題/領域番号 07640737
研究種目

一般研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

藤田 誠  千葉大学, 工学部, 助教授 (90209065)

キーワード包接錯体 / 超分子 / カドミウム錯体 / ナノテクノロジー / 無限骨格 / 分子認識
研究概要

本研究は、(1)有機多座配位子の精密設計に基づき、種々の遷移金属との錯体形成により大きな内部空孔を持つ二次元および三次元無限骨格構造の錯体を創製すること、さらに、(2)これらの錯体の包接機能に基づいて、さまざまな機能、特に触媒機能および非線形光学機能を開発することを目的とするものである。今年度は以下の成果を得た。
1.貫通構造の″はしご″および″あみだ″錯体 配位子PyCH_2-Y-CH_2Py(Y=p-C_6H_4:1;Y=p-C_6F_4:2)とCd(NO_3)_2の錯形成では、[Cd(L)_<1.5>](NO_3)_2の組成を有する錯体A(L=1)およびB(L=2)がそれぞれ生成した。両者の結晶学的分子構造は極めて類似した特徴を有する。すなわち、いずれの錯体においても、ピリジル基3つがCd(II)イオンにT字型に接続し、Cd原子は7配位構造をとっている。ところが、このよく似たT字単位から、錯体Aにおいては無限はしご構造が形成されるのに対し、錯体Bでは無限あみだ構造が生成していることがわかった。さらに、これらの結晶内では、独立した″はしご″および″あみだ″構造が互いに貫通しあっていることも明らかとなった(M. Fujita et al.,JACS.,117,7287(1995)).。
2.″膨潤″する二次元網目構造一方配位子2とCd(NO_3)_2の錯形成を芳香族ゲスト分子(G)の存在下で行ったところ、ゲスト分子を包接した無限網目構造の錯体[Cd(μ-2)_2](NO_3)_2・G(錯体C)が得られた。この錯体の網目は柔軟性を有し、包接するゲスト分子の大きさに合わせて自在に膨らむことがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] M.Fujita et al.: "“Guest-Induced Organization of a Three-Dimensional Palladium(II)Cagelike Complex. A Prototype for ′Induced-Fit″ Molecular Recognition″" J. Am. Chem. Soc.117. 1649-1650 (1995)

  • [文献書誌] M.Fujita et al.: "″A Molecular Lock″" J. Am. Chem. Soc.117. 4175-4176 (1995)

  • [文献書誌] M.Fujita et al.: "″Interpenetrating Molecular Ladders and Bricks″" J. Am. Chem. Soc.117. 7287-7288 (1995)

  • [文献書誌] M.Fujita et al.: "″Self-Assembly of Ten Molecules into Nanometer Sized Organic Host Frameworks″" Nature. 378. 469-473 (1995)

  • [文献書誌] M.Fujita et al.: "″Catenane Formation from Two Molecular Rings through Very Rapid Slippage. A Mobius Strip Mechanism″" J. Am. Chem. Soc.118. 899-900 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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