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1996 年度 実績報告書

マルチ銅オキシダーゼにおける三核銅クラスター

研究課題

研究課題/領域番号 07640740
研究機関岡崎国立共同研究機構

研究代表者

櫻井 武  岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (90116038)

キーワードマルチ銅オキシダーゼ / 三核銅センター / アスコルビン酸オキシダーゼ / ラッカーゼ / 磁気モーメント / 反強磁性相互作用 / SQUID / ESR
研究概要

ラッカーゼおよびアスコルビン酸オキシダーゼのESRスペクトルを3Kから300Kの間で詳しく測定を行い、データをシミュレーションすることによって、タイプ1、2銅の温度依存性を詳細に検討した。その結果、ESR検出銅の定量や各タイプの銅イオンのスピンハミルトニアンパラメータ変化からタイプ2銅の立体構造が、極低温ではのびた8面体であるが、温度が上昇するにつれ4面体に近づいていくことがわかった。これは、タンパクのコンフォメーション変化によって引き起こされる現象であると考えられ、タイプ2銅の構造はこれまで考えられていたよりもはるかに歪んだものであることがわかった。さらに、アジ化物イオンが1個および2個結合したタイプ3銅のESR挙動も詳しく検討し、前者がマイクロ波によって著しく飽和されやすいことを見いだした。一方、休止およびアジ化物イオンを作用させたラッカーゼおよびアスコルビン酸オキシダーゼのSQUIDを5Kから300Kという広い範囲で測定し、休止状態でのタイプ3銅間の反強磁性相互作用に温度依存性があることを見いだした、この知見はESRの結果とよく対応していた。すなわち温度が上昇し、室温に近づくにつれ、三重項状態の寄与が無視できなくなってくることがわかった。また、アジ化物イオンを作用したラッカーゼのSQUIDから反強磁性相互作用の強さを決定するとともに、三核銅クラスター内の橋かけグループが反応中は、異なる銅間でブリッジの組み替えを行っているという結論に至った。さらに、共鳴ラマンスペクトルによって、はじめて三核銅部位の振動構造も測定出し、Solomonらの提唱しているようなアジ化物イオンが2つまたは3つの銅イオン間でブリッジしているのではなく、タイプ3銅の一方にエンドオンの配位様式で結合しているいることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 櫻井武: "Cyclic Voltammetry of Cucumber Ascorbate Oxidase" Chemistry Letters. 1996・4. 481-482 (1996)

  • [文献書誌] 櫻井武 他2名: "FT-IR Spectra of the Azide-Type 3 Copper in Laccase and Ascorbate Oxidase" Chemistry Letters. 1996・6. 651-652 (1996)

  • [文献書誌] 櫻井武 他3名: "Reduction and Oxidation Processes of Blue Copper Proteins,Azurin,Pseudoazurin,Umecyanin,Stellacyanin,Plantacyanin,and Plastocyanin Approached by Cyclic and Potential Step Voltammetries" Bulletin of the Chemical Society of Japan. 69・10. 2855-2862 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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