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1995 年度 実績報告書

トリハロアセトアミド系の分子性強誘電体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07640772
研究種目

一般研究(C)

研究機関神戸大学

研究代表者

橋本 真佐男  神戸大学, 理学部, 助教授 (90030775)

研究分担者 曽谷 紀之  神戸大学, 理学部, 教授 (90031335)
枝 和男  神戸大学, 理学部, 助手 (00193996)
御堂 義之  神戸大学, 理学部, 助手 (70030773)
キーワード分子結晶 / 強誘電体 / 結晶構造 / 中性子線回析 / X線回析 / 相転移 / 水素結合
研究概要

本研究計画で購入した赤外分光用のクライオスタットをFTIR分光器にセットした結果、IRスペクトルの温度変化が測定可能になった。現在、160-400Kの温度範囲で測定できることを確認した。
トリクロル及びトリブロムアセトアミド(TCAA、TBAA)のIRスペクトルの温度変化を160-400Kの温度領域で測定した。室温相のアミノ基の振動に帰属できるIRバンドの一部は顕著な温度変化を示す。室温と90KにおけるTCAAの粉末中性子線結晶構造解析を行い、室温相に於けるアミノ基の一部の水素原子の異常な熱振動を見いだした。これらの実験・解析結果から、室温相内におけるアミノ基の構造の温度依存性が明かになった。更に、TCAAの高温相の粉末中性子線結晶構造解析を行い、高温相では前期の水素原子の熱振動が正常であることを見いだした。
TBAAの粉末X線回折の実験は室温相と高温相の近似的同形を示すが、IRスペクトル温度変化の実験結果は両相の水素結合が全く異なることを示した。これらの結果から水素原子の挙動が相転移に関与していることが分かった。
TBAAの誘電率の温度依存性を測定し、TCAAの強誘電性転移に類似した誘電率の温度依存性を見いだした。
塩素と臭素が1:2および2:1に置換したトリハロアセトアミドを合成し、これらの室温相の結晶構造がTCAAやTBAAとは同形ではないが極めて類似した構造であること、またハロゲンの激しいディスオーダーを伴うことを見いだした。これらの結晶についてもTCAA類似の相転移が熱分析と誘電率の温度依存性から見いだされた。
本年度の研究により、一連のトリハロアセトアミド類にはTCAAに類似した強誘電性転移がある可能性が高いことが分かり、また転移機構解明に関する基礎的情報が得られた。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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