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1995 年度 実績報告書

機能性自己組織化単分子膜の開発と電気化学的特性

研究課題

研究課題/領域番号 07640773
研究種目

一般研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

竹原 公  九州大学, 理学部, 助教授 (20128044)

キーワード自己組織化単分子膜 / 電気化学 / イオン・ゲート
研究概要

直鎖alkanethiolの末端をOH,COOHおよびNH_2で置換したHO-(CH_2)_<11>-SH(MUO), HOOC-(CH_2)_<10>-SH(MUA)およびH_3N-(CH_2)_<11>SH(AUT)を合成した.これらの分子を自己組織化法により金電極表面に修飾し,置換末端基と溶液内酸化還元種の相互作用を電気化学的手法を用いて測定した.酸化還元種としては,ドーパミン関連物質を用いた.側鎖にNH_2を持つドーパミンの電極反応は,AUT修飾電極では強く阻害されるのに対してMUA修飾電極では阻害は少なかった.また,MUO修飾電極では中間的な挙動を示した.逆に側鎖にCOOHをもつカフェイン酸などの反応は,MUA修飾電極で強く阻害され,AUT修飾電極での阻害効果は弱かった.さらに,中性分子では膜末端基の置換による影響はほとんど無かった.これらの結果は,単分子膜末端基と溶存種の静電的相互作用を利用することで,電極反応を選択的に制御できることを明確に示している.
側鎖にチオール基を持つジペプチドのglutamyl-cysteine (GC)とcyeteinyl-glycine (CG)の自己組織化単分子膜を修飾した金電極を用い,溶存Fe (CN)_6^<3->イオンの電極反応に及ぼす共存アルカリ土類イオン(M^<2+>)の影響を調べた.その結果,M^<2+>がない場合はGC修飾電極のほうがCG修飾電極より強くFe (CN)_6^<3->の反応を阻害するのに対して,M^<2+>が共存すると阻害効果は逆転した.これは,GC分子両端のカルボキシル基のM^<2+>への配位による電荷の中和と分子構造の変化により,Fe(CN)_6^<3->の膜内透過が容易になったためと考えられる.また,再度M^<2+>が無い溶液と置換するとシグナルは元に戻った.この結果は,GC分子がイオン種の透過に対して効率的なイオン・ゲートとして機能していることを示している.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ko Takehara: "Charge-selectivity og the monolayer modified gold electrode for the electrochemical oxidation of catechol derivatives." Journal of Electroanalytical Chemistry. (印刷中).

  • [文献書誌] Ko Takehara: "An ion-gate response of the cysteine-containing dipeptide monolayers formed on a gold electrode." Bioelectrochemistry and Bioenergetics. (印刷中).

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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