• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

オルト-アイーレンジ亜鉛化合物の合成と利用

研究課題

研究課題/領域番号 07640787
研究機関岡山大学

研究代表者

高木 謙太郎  岡山大学, 理学部, 教授 (80033405)

キーワードオルト-アリーレンジ亜鉛化合物
研究概要

様々な置換基をもつフェノール類は入手が容易である.これを出発原料とし,オルト位ヨウ素化,続く水酸基トリフラート化,更に亜鉛粉末との反応を経由するオルト-アリーレンジ亜鉛化合物の合成経路を確立してきた.しかしこの化合物を合成試薬として用いるためには,解決しなければならない問題が残っていた.それは,得られたアリール亜鉛化合物は単離せずに反応液をそのまま使う関係で,合成試薬として実用できるためには,十分な純度が必要であるが,実際の反応液は60%程度の純度しかなかったことである.この収率改善を目指した実験を行い,収率低下の原因は反応系内の水分にあり,これを脱水剤により完全に除去すると収率の大幅向上が可能になることを見出した.特に水分の存在は,その絶対量以上に収率を低下させていて,そのため加える脱水剤は極少量でよく,生成するオルト-フォエニレンジ亜鉛化合物溶液を脱水剤が汚染する心配がないことも明らかにした.これにより,オルト-アリーレンジ亜鉛化合物の選択的な合成が可能になり,これをパラジウム触媒存在下の反応でアリールハロゲン化物,酸塩化物のような親電子性炭素試薬にクロス-カップリングさせ,この試薬がオルト-アリーレンジアニオン等価体として機能することを実証した.
オルト-アリーレンジアニオン等価体の合成と利用に成功したので,合成化学的にはより高い選択性を発揮すると期待され,オルト-アリーレンジ亜鉛化合物おの場合と同じ亜鉛の特性を活用することにより研究の展開が可能になると予想される,オルト-フェニレン1-アニオン2-カチオン等価体について研究を行った.その結果,オルト-ブロモフェニール亜鉛化合物の合成に成功した.この化合物がオルト-フェニレエン1-アニオン2-カチオンの等価体として有効に機能することをパラジウム触媒を用いる親電子性炭素試薬との反応およびそれに続く求核性炭素試薬との反応により実証した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] M.Okano, M.Amano, K.Takagi: "Bromophenylzinc Compound : A Readaly Available and Effecient synthetic Equivalent of O.Phenyleve 1-Anion 2-Cation" Tetrahedron Lett.39(in press). (1998)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi