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1995 年度 実績報告書

昆虫における種間相互作用による形質進化と群集形成過程

研究課題

研究課題/領域番号 07640839
研究種目

一般研究(C)

研究機関信州大学

研究代表者

曽田 貞磁  信州大学, 理学部, 助手 (00192625)

キーワード昆虫 / 形態 / 種間交雑 / 配偶行動 / 雑種形成 / オサムシ / 交尾器 / 地理的変異
研究概要

オオオサムシ亜属のオサムシについて,次のような研究を行った.
(1)種間の配偶行動:三重県産マヤサンオサムシ,イワワキオサムシ,オオオサムシ,ヤマトオサムシの4種間で,雄が異種雌に対し交尾行動を行うかどうか,雌の種を識別するかを調査した.サイズが大きく異なる種間では全く交尾行動がみられなかったが,雑種形成が知られているマヤサンオサとイワワキオサの雄は雌の種を全く区別しなかった.また,同じく雑種を形成すると推定されている長野県産アオオサとテンリュウオサの間でも雄は雌の種を区別しなかった.この結果から,自然界で交雑が起こる種間では,雄が種を識別できないことが明かになった.
(2)種間交雑実験:マヤサンオサとイワワキオサの間で交雑実験を行った結果,種間交尾のさいに雌では交尾器の破損による死亡が高頻度で起き,雄では長い交尾片を有するマヤサンオサで交尾片が頻繁に破損した.こうした機会的な障害のため,交雑によって雑種個体が得られる確率は低くかった.アオオサとテンリュウオサの間では,交尾器の破損が起こることがなかったが,雑種成虫を羽化させることには飼育技術上の問題のため失敗した.
(3)体サイズ・交尾器形態の種間変種:種内の地理的変異,同所的種間の形態分化を解析するため,オオオサムシ亜属各種の体サイズと交尾器形態の測定を継続している.今年度は,三重県・長野県で交雑地帯を持つ4種と,九州・四国・中国地方の標本の計測を行った.交尾器形態の種間差は,交雑を行う種間でも明瞭であり,まったく連続性は認められないことが明かになった.地理的変異全般の解析は次年度に行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 曽田貞磁,久保田耕平: "オサムシの種間交尾" 昆虫と自然. 30(2). 13-19 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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