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1996 年度 実績報告書

遺伝生化学的手法による紅色細菌の光合成電子伝達系と窒素固定系を連結する因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07640862
研究機関大阪大学

研究代表者

佐伯 和彦  大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (40201511)

キーワード紅色非硫黄細菌 / 窒素固定 / 膜蛋白質複合体 / NADH
研究概要

光合成細菌R.capsulatusのフェレドキシン1遺伝子fdxN周辺には,光照射下における窒素固定に必須なしかし既知のnif遺伝子とは類似性のない遺伝子群rnfが存在する。私達は第1に、mf産物が膜蛋白質複合体を構成することを示した。まず、RnfBおよびRnfC蛋白質を大腸菌を宿主として発現させたものを抗原として抗体を作製し、菌体中の局在性を調べた。その結果,RnfBとRnfCいずれもクロマトフォア膜表在性の膜蛋白質であることが判明した。次に、rnfA、rnfBとrnfC遺伝子破壊株およびこれらに破壊した遺伝子のみをプラスミドとして導入した株をグルタミン酸を窒素源として生育させ、RnfBあるいはRnfC蛋白質の含量を調べた。その結果,3種の遺伝子産物は膜中で複合体を形成し、相互に安定化しあっていると推定された。一次構造比較からRnf複合体,プロトン輸送型NADHキノン酸化還元酵素の膜表在性部分とナトリウム輸送型NADHキノン酸化還元酵素の膜内在性部分のキメラ状構造を持つ,エネルギー共役型NADHフェレドキシン酸化還元酵素であると予測された。第2に、各種の変異株について,ジメチルスルホキシドを電子受容体として嫌気呼吸を行わせ,暗所での窒素固定能力を調べた。その結果,すべてのrnf破壊株は痕跡量程度の能力しか持たないことが判明した。また,光合成条件での窒素固定能が低下するが喪失しないfdxN遺伝子の破壊株では,暗所でも相当する窒素固定能の低下が認められた。Rnf複合体の機能は,光化学反応で得られる還元力を単純にニトロゲナーゼ系に受け渡すのではなく,嫌気呼吸の電子伝達系とも接点を持つことが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Saeki et al.: "Site-specific Mutagenesis of Rhodobacter capsulatus Ferredoxin I,FdxN,That Functions in Nitrogen Fixation : Role of Extra Residues" J.Biol.Chem.271・49. 31399-31406 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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