研究概要 |
緑藻オオハネモの窒素代謝に関する酵素について、以下のことを明らかにした。 1)酵素の生化学的性質 (1)硝酸還元酵素(NR) 精製されたNRは、NADHを補酵素とし、分子量は380,000でそのサブユニットの分子量は96,000であった。その活性は、培養日数につれて減少し、一週間で約10%になった。 (2)グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)は、NADPHを補助酵素とし、分子量は300、000でそのサブユニットは46,000だった。活性の至適pHは、アミノ化で7.5、脱アミノ化で8.6であった。この藻の酵素は、他の植物のGDHと異なり、金属タンパク質でもアロステリック酵素でもなかった。 2)酵素の細胞内分布 (1)NR活性は、サイトゾルと葉緑体のいずれにも認められたが、かなりの部分が、より密度の高い他の細胞内小器官に局在した。 (2)GDH活性は、サイトゾルと葉緑体の両画分に確認された。 (3)GOGAT活性は、他の植物と同様に葉緑体にのみ存在した。 以上の結果よりオオハネモの窒素代謝系が他の植物とは異なっている可能性が示唆された。
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