(1)藻類の主要なグルタミン酸デヒドロゲナーゼであるNADP-GDHを単細胞多核緑藻のオオハネモから抽出、精製した。この酵素の分子量は280KDaで、46KDaのサブユニット6個からなっていた。2-オキソグルタレイト、アンモニア、NADPH、グルタミン酸、NADPに対するKmは、それぞれ3.0、20.、0.03、3.2、0.01であった。このGDHにはCaイオンやEDTAの効果が無く、これは高等植物のNAD-GDHと対照的であった。DTNBやpCMBSによる化学修飾により、システイン残基が酵素活性に必須であることがわかった。GDH活性はヌクレオチドにより影響されないことから、アロステリック酵素で無いと考えられる。 (2)GDHの主要な活性は、葉緑体とサイトゾルに見られ、ミトコンドリアには少なかった。これらの酵素は陰イオン交換クロマトグラフィーにより分離できた。 (3)5日間の恒明または恒暗条件下の培養で、葉緑体には新たに3つのNADP-GDHアイソザイムが誘導されたが、同時にサイトゾルとミトコンドリアのものは消失した。30日間の培養で、葉緑体に4つ、サイトゾルに1つのNAD-GDHアイソザイムが誘導された。 (4)他の窒素代謝酵素の局在も調べた。グルタミン合成酵素は葉緑体とサイトゾルに、グルタミン酸合成酵素は葉緑体に、硝酸還元酵素はサイトゾルに見いだされた。
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