研究概要 |
1。エンドセリン生産細胞の同定。ウシガエル腺葉では,gonadotrophsがエンドセリン-3免疫陽性反応を示し,他の細胞種は示さなかった。ラット腺葉では,陽性反応は全くみられなかった。細胞内含量が少ないため,この方法では陽性反応が得られなかった可能性があるので,cell blotting法を行うべく,現在,準備中である。 2。エンドセリン受容体に対する抗体の作成,ならびにエンドセリン結合部位の検索。(1)B受容体の部分ペプチドに対する抗体を作成し,特異性の検討を行ったのち,ラット正中隆起について免疫組織化学を行い,生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(LHRH)の軸索に陽性反応を見い出せた。この結果は,エンドセリンがLHRHの放出に関与していることを示唆する。(2)A受容体の部分ペプチドに対する抗体を作成し,同じく正中隆起を調べたところ,視床下部-神経葉系の軸索が免疫反応を示すことを見い出した。しかし,この抗体に関しては,特異性の検討が残されている。 3。ラット神経葉のヴァソプレッシン分泌に対するエンドセリンの作用。in vitroで,神経葉にエンドセリン-1を作用させたところ,軸索終末内の分泌顆粒が互いに融合した。エンドセリンA受容体阻害剤(BQ485)を予め作用させると,そのような像は見られなかった。この結果,エンドセリン-1がA受容体を介して神経葉ホルモンの分泌を促進する可能性を示唆する。
|