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1996 年度 実績報告書

カイコ卵に存在するシステインプロテアーゼ:構造と活性化機構

研究課題

研究課題/領域番号 07640902
研究機関山口大学

研究代表者

高橋 進  山口大学, 農学部, 教授 (90022665)

研究分担者 山本 芳実  山口大学, 農学部, 助教授 (40115514)
キーワードカイコ / システインプロテアーゼ / BCP / 前駆体 / 活性化機構 / カチプシンL型
研究概要

我々はこれまで卵黄蛋白質の分解に関わっているシステインプロテアーゼ(BCP)が前駆体として卵内に大量に蓄積していることを発見し精製に成功した。本酵素は、パパインスーパーファミリーに属する酵素で、カイコ卵巣中に不活性な前駆体として蓄積しており発生を開始すると直ちに活性化をうけ卵黄蛋白の分解をおこなう。未受精卵、休眠卵においては不活性型のまま存在し、卵黄蛋白の分解を行うことはない。これらの結果はBCPの不活性型【double arrow】活性型への変換が卵黄白蛋白分解のひきがねになっていることを示唆している。我々はこれまで酵素化学的な面からBCPにとりくんできた。これまでに1)BCPの諸性質、2)一次構造、cDNAの塩基配列、3)活性下機構の解明、4)特異的阻外剤、Deletion Analysis等をもちいてプロペプチドの役割、5)NMRなどを用いた立体構造の解明(現在Prof.M.Bownes,University of Edinburgh,UK.と共同研究が進行中)に取り組んできた。cDNAプローブを用いたノ-サンブロット解析および培養実験の結果より、BCPは雌蛹脂肪体および卵濾胞細胞において合成され、血液を経由して卵巣に蓄積することがあきらかにされた。これはBCPが新しいタイプの卵黄蛋白であることをしめしている。ほぼ同時にRaikhel(Michigan State University,USA)も蚊において、同様の現象をみいだした。これらの研究は下記の国際シンポジウムに招待され講演された。Vitellogenesis,XXth Int.Cong.Entomol.Firenze,Italy,1996;7th Int.Cong.Invert.Reprod.& Develop.,Santa Cruz,USA,1995.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 渡部他: "Possible function of SP-22,a substrate of mitochondrial ATP dependent protease,as a radical scavenger." Biochem.Biophys.Res.Comm.213. 1010-1016 (1995)

  • [文献書誌] 山本、渡部、高橋: "カイコ卵に存在するシステインプロテアーゼ:その構造と機能" 「昆虫の生化学、分子生物学」大西、園部、高橋編. 259-279 (1995)

  • [文献書誌] Zhao他: "Occurrence of cathepsin B-like proteinase in the eggs of silkworm moth,Antheraea pernyi." Comp.Biochem.Physiol.113B. 95-103 (1996)

  • [文献書誌] 高橋他: "Bombyx acid cysteine proteinase(Review)." Int.J.Invert.Reprod.& Develop.30,265-281.30. 265-281 (1996)

  • [文献書誌] 渡部他: "The cDNA sequence encoding bovine SP-22,a new defence system against reactive oxygen species in mitochondria." DNA Sequence. 6. 239-242 (1996)

  • [文献書誌] 手塚他: "A connection between the self-Incompatibility mechanism and the stress responsein Lily." Plant Cell Physiol.38. 107-112 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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