研究課題/領域番号 |
07640917
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
大島 章子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 形態学部, 主任研究員 (50142170)
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研究分担者 |
磯辺 俊明 東京都立大学, 理学部, 助教授 (70106607)
伊藤 宗之 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生理学部, 部長 (80100155)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | てんかん / モデル動物 / スナネズミ / 発作形成 |
研究概要 |
てんかんの遺伝性モデル動物スナネズミの発作には、ヒトにみられるような年齢依存的な発作形成過程が存在する。我々は、この過程には遺伝素因存在下での外部刺激の反復により低闘値部位が拡大するキンドリング様現象があるのではないかと考え研究をおこなった。以下に結果を記す。 1.遺伝素因の可能性のある蛋白としてP70様蛋白を調べた。P70は実験的てんかんモデルで発作形成に関係している可能性が高い蛋白である。スナネズミで発作形成と同時期に大脳皮質神経細胞の膜近傍に存在するようになるこの蛋白がP70同様アルブミン類似であることが示唆されたため、アルブミンのcDNA配列を決定した。脳を調べた所生後3ケ後3ケ月でも少量のアルブミンのmRNAが見出された。この蛋白は細胞膜近辺では内存性蛍光物質と共存しているように思われることから、アルブミンが何らかの修飾を受け細胞膜近辺で何かと結合して機能している可能性を検討中である。 2.我々が確立した発作好発系統では、幼若時に発作誘発刺激により耳介のリズミカルな動きが誘発されるのを見出し、刺激後の後発射が全身発作へ発展する可能性を検討してきた。誘発刺激に反応する部位と電気刺激で耳介の動きを誘発する部位が重なることを見出したがこの部位に電極を埋め込みテレメータで脳波の無線記録をした結果、発作誘引に対しヒトのてんかんにも示唆をあたえうるような特徴的は反応を示すことがわかった。この部位と運動野との関係を解析中である。 3.東京都精神研、村島博士が確立された発作抵抗系統を譲り受け挙動を観察したが、好発作系統と同じ刺激を加えても成獣型発作も幼若時の耳介のリズミカルな動きもみられなかった。耳介の動きに関わる顔面神経は抵抗系統でも同様に認められたが好発系統では顔面神経と前庭神経との立体的関係はより密接であった。現在、両統計の差を検討するため抵抗系統の繁殖を試みている。
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