研究課題/領域番号 |
07650001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠田 義晴 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20232986)
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研究分担者 |
庭野 道夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20134075)
末光 眞希 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (00134057)
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キーワード | Si (100) / 薄膜成長 / 紫外光電子分光 / 振動 / その場観察 / リアルタイム / RHEED / 光電子強度 |
研究概要 |
Si (100)上のシリコン気相成長中に紫外光電子分光その場観察(リアルタイムUPS)を行い、UPS表面準位の強度が周期振動する事を世界で始めて発見した。この振動を用いれば結晶成長をその場で単電子層精度で観察・制御する事が可能となる。しかもUPSで用いる励起光は真空紫外であり、気相成長にあまり影響を与えず結晶の損傷もないと考えられる。本研究はこのUPS振動法が何故生ずるかを解明することにある。本年度に得られた具体的な研究成果を以下に記す。 1.シングルドメインSi (100)上のSi_2H_6を用いたガスソース分子線エピタキシ(GSMBE)を行い、反射高速電子線回折(RHEED)観察をした。Laue1/2次回折スポットは成長時間とともに周期振動した。これは表面再配列構造の交代が1MLの成長毎に生ずるからである。すなわち振動の1周期はシリコン2原子層の成長に対応し、これによりシリコンの成長速度がわかる。様々なGSMBE条件で成長速度を測定し、UPS振動法で得られた周期がどのくらいの成長に対応するかを調べた。その結果、UPS振動の1周期は2原子層の成長に対応することが系統的に示された。これによりUPS振動の起源は表面再配列構造の交代によるものであることが直接的に示された。 2.リアルタイムUPSをシリコン熱酸化幕の初期成長素過程に応用した。その結果、650℃を臨界温度とし、それより低温では酸化はLangmuir吸着型で進行し、高温側では2次元島成長で進行することがわかった。両者の成長様式を決定しているのは酸化膜の再脱離反応の有無であることも明らかとなった。
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