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1996 年度 実績報告書

赤外光デバイス用InGaAsSb化合物半導体の結晶成長

研究課題

研究課題/領域番号 07650010
研究機関静岡大学

研究代表者

熊川 征司  静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30022130)

研究分担者 早川 泰弘  静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (00115453)
山口 十六夫  静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (40010938)
キーワード赤外光デバイス材料 / 化合物半導体 / 結晶成長
研究概要

赤外光デバイス材料としてのInGaAsSb化合物半導体結晶を得るには、最初に三元の化合物半導体についての理解を深めることが不可避である。チョクラルスキー法を用いてInGaSbとGaAlSbを、温度差法と回転ブリッジマン法を用いてInGaAsのバルク結晶を成長させ、組成比制御、偏析、結晶性に関して研究した。又、計算機による数値解析から結晶成長の状況をモデル化した。GaAs基板上へのInGaAsの薄膜ヘテロ成長に関しては、SIN_x膜上への横方向成長を活用することにより結晶欠陥の少ない良質結晶膜が得られた。InGaAs中のIn濃度を0.06から0.1まで増加させても、エッチピット密度はほぼ10^4/cm^2と変化は認められなかった。InAs基板上へのInAsSbの段階組成勾配多層成長に関しては、Asに対してSbの割合を増加させたInAsSb層を順次成長させ光学的特性を調べた。エピ層の増加に対応してカットオフ波長が長波長側に移動した。4層のエピ層の場合、バンドエッジ吸収端は鋭くないが、8μmのカットオフ波長を得た。(100)InAs基板上に成長させたInGaAsSb結晶層に関しては、原料のIn-Ga-As-Sb混合融液に極微量のGd元素を添付することにより、電気特性を変化させ得た。成長層のSIMSによる測定から、Gd元素は原料融液のS元素と化合し、S元素の固相への偏析を軽減していることが明らかになった。一例として、InGaAsSb成長層の移動度は300Kで3.0×10^4cm^2/Vs、77Kで8.2×10^4cm^2/Vsであり、キャリア濃度として300Kで5.7×10^<15>cm^<-3>、77Kで4.0×10^<15>cm^<-3>の値が得られた。InAsのこれらの値と比較すると、成長層はかなり良好であった。以上のように、三元及び四元化合物半導体の結晶成長に関する研究で得られた知見は、赤外光デバイス材料の開発に多いに貢献するものと期待している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Hayakawa,他: "Crystal Growth of AlGaSb Bulk Crystal" Proc.of 15th Canadian Congress of Applied Mechanics. 2. 760-761 (1995)

  • [文献書誌] X.Y.Gong,他: "High Quality InAs_<1-y>Sb_y/InAs Multilayers for Mid-IR Detectors" Cryst.Res.Technol.30・5. 603-612 (1995)

  • [文献書誌] Y.Hayakawa,他: "Rapid diffusion of Ga into InSb and Precipitation of In" J.Cryst.Growth. 163・3. 220-225 (1996)

  • [文献書誌] Y.Hayakawa,他: "Effect of Ampoule Rotation on Growth of InGaAs Ternary Bulk Crystals from Solution" Cryst.Res.Technol.31・5. 567-575 (1996)

  • [文献書誌] Y.Hayakawa,他: "Epitaxial Lateral Overgrowth of InGaAs on Patterned GaAs Substrates by Liquid Phase Epitaxy" J.Cryst.Growth. 169. 613-620 (1996)

  • [文献書誌] X.Y.Gong,他: "Mid-Infrared Photoluminescence from Liquid Phase epitaxial InAs_<1-y>Sb_y/InAs Multilayers" Jpn.J.Appl.Phys.36・2. 250-254 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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