研究課題/領域番号 |
07650016
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
田中 省作 鳥取大学, 工学部, 教授 (90032284)
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研究分担者 |
大観 光徳 鳥取大学, 工学部, 助手 (90243378)
石井 晃 鳥取大学, 工学部, 助教授 (70183001)
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キーワード | 半導体 / 希土類発光中心 / 局在形発光中心 / エネルギー移動過程 / 5d励起状態 / 電荷移動励起状態 / IIa-VIb族化合物半導体 / エレクトロルミネッセンス |
研究概要 |
半導体に希土類イオンを添加すると、バンド間の励起と、それに続く、電子・正孔の再結合によるエネルギーで希土類イオンを励起することが出来る。希土類イオンの発光は4f^n内殻電子の遷移により生じるが、この内殻電子は5s^25p^6閉殻により静電シールドされており、結晶場の影響を受けにくく発光波長が温度によらないなどの特徴を有する。これらの材料の励起・発光過程を理解するためには、半導体中の電子・正孔対から希土類イオンの4f^n電子系へのエネルギー移動過程を明らかにする必要があるが、理論的にも、実験的にも不明な点が多い。我々は、希土類イオンの5d励起状態や、電荷移動状態(Charge Transfer State: CTS)を通じたエネルギー移動過程に着目し、その過程を、実験的、理論的に明らかにしようと試みた。得られた結果を以下に示す。 1.エレクトロルミネッセンス材料として注目されているSrS:Ceおよび、SrS:Euを取り上げ、粉末および薄膜の試料を作成した。これらの材料ではCe^<3+>およびEu^<2+>発光中心は、4f^<n-1>5d励起状態を有しているため、母体のバンド電子との強い相互作用が生じていると期待できる。 2.フォトルミネッセンス励起スペクトルより、希土類発光中心(Ce^<3+>,Eu^<2+>)は、4f^<n-1>5d励起状態への直接励起に加えて、母体からの間接励起によっても強い発光を示すことが分かった。この結果は、母体の電子・正孔対から希土類発光中心へのエネルギー移動が効率よく生じていることを示している。 3.SrS:Ce薄膜に電界を印加した状態で、エキシマー励起の色素レーザー(430-450nm)を用いて、Ce^<3+>の5d状態を選択励起したところ、伝導電荷が増加することを見いだした。この結果は、従来から議論されている、電子・正孔対の再結合エネルギーの非輻射エネルギー伝達による励起ではなく、希土類発光中心と半導体母体の間の電荷移動を含めた励起過程が存在することを示唆している。 これらの実験結果を解析することにより、SrSにおける希土類イオン(Ce^<3+>)の励起・発光過程を明らかにし、さらに、他の半導体における希土類発光中心の励起・発光過程についても研究を進める予定である。
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