研究課題/領域番号 |
07650026
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
大石 正和 岡山理科大学, 工学部, 教授 (40068911)
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研究分担者 |
米田 稔 岡山理科大学, 理学部, 講師 (40240379)
斉藤 博 岡山理科大学, 理学部, 教授 (20013526)
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キーワード | MBE成長 / 分子線ユピタキシ- / 低温成長 / 硫化亜鉛薄膜 / ド-ピング |
研究概要 |
ZnS/GaAs (001)薄膜は格子不整合度が高く、格子緩和後に表面ファセットが発生しやすい。このことは、原子的スケールでの平坦性をもつ多層膜を成長させる上で望ましくない。さらに、Liをドープすると、成長速度の低下と反射高速電子線回折像にLiの一次元列に起因する曲率を持つストリーク(curved streak)が観察される。そこで、本年度はGaAs (111)基板上へのMBE成長を試みた。その結果(111)B面ではエピタキシ成長が持続するが表面平坦性は不十分である。一方、(111)A面では双晶発生を伴い最終的に多結晶化する。この原因を探るために、極性面上への成長初期過程と供給分子(原子)の付着と離脱を鏡面反射点強度の観察を行った。 また、Curved-streakと表面Liの関係を明らかにする目的で、オフ方位とオフ角の異なるGaAs (001)基板上へのMBE成長を行った。その結果、 1)Curved-streakはLi供給直後には見られず、Li供給下でMBE成長を継続して始めて現れる。 このことは、Liの供給により表面テラスの発達に異方性があることを示す。 2)Bステップと垂直方向にオフした基板ではテラス長に関係なくCurved-streakが観察されが、Bステップと平行方向にオフした基板では全く観察できない。 これらの事実は、Li原子列が確かにBステップに沿って形成されていることを裏付ける。などが判明した。Liが関係する一次元配列は、Bステップからの2次元層成長を妨害し、成長速度を低下させること示唆される。また、curved-streakが観測される最小一次元配列長は70A以上必要であることも判明した。成長速度の低下とLi原子列の存在は、Liの一様ド-ピングを実現する上で重要であり、その解決を図るべく実験を継続している。
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