研究課題/領域番号 |
07650040
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
宇理須 恒雄 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (50249950)
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研究分担者 |
津坂 佳幸 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (20270473)
間瀬 一彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (40241244)
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キーワード | 放射光 / ジシラン / ガスソースMBE / 赤外表面反射吸収法 |
研究概要 |
ジシランを反応ガスとする放射光励起ガスソースMBEにおける低温(400℃以下)領域でのSi(100)基板表面のSiHnの検出および反応機構の解明を進めた。CoSi_2層を埋め込んだ埋め込み金属基板を通常のガスソースMBEで製作する技術を確立した。この基板を用いた赤外表面反射吸収法が半導体表面反応のその場観察技術として優れていることを確認した。この開発した赤外反射吸収分光法をガスソースMBEのその場観察に適用し、結晶成長中のSi(100)表面の吸着種としてSiH、SiH_2、SiH_3の検出に世界ではじめて成功した。基板温度が低温になるほどSiH_2、SiH_3が増大することがわかった。この結果はRHEEDパタンの温度変化と良く一致し温度による表面構造の変化を明らかにした。さらに表面のSiHnへの放射光照射効果を調べた結果、放射光の照射によりSiH_2、SiH_3は分解してSiHになるがSiHは分解しないことが分かった。これはSiHの場合、基板との相互作用により電子励起状態の寿命が短くなるためと考えた。 また、SiHが放射光で分解しないにもかかわらず結晶成長が進む理由を明らかにするため、Si(100)表面を重水素で終端し、この表面上での放射光励起ガスソースMBEを観察したところ、SiDがSiHで置き換わることが確認された。このような置換反応はD終端表面を単にジシランに曝しただけでは観察されず、これらの結果から、結晶成長が進むのに必要な表面水素の脱離機構として、ジシランの放射光照射によって生成するSiHnと表面のSiHnが反応してSiが堆積すると同時に、水素が脱離する反応が重要であることを示した。
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