反射率および標準光照明下での色度座標測定済みのテスト色票を、赤と緑領域を中心にして、80枚作成した。平成7年度の設備備品費で購入した標準光源装置と現有のパーソナルコンピュータを組み込んだ色評価観察実験装置を組み立てた。 上記装置を用いて、反対色型カラーネ-ミング法により色票による色評価実験を遂行中である。光学系は一度組み立てると後から装置の変更等が困難なので、現在CRTディスプレイを用いてテスト色刺激周囲を暗黒にした開口色モードの実験を行い、実験方法の詳しい検討や問題点を検討している。それと並行して、CRTディスプレイにより周囲を灰色にした表面色モードの色刺激を作成し、色評価の実験を遂行中である。色の見えは明るさレベルにより変化するので、等色相線は等明るさレベルでの測定が必要である。輝度と明るさの不一致や被験者による明るさ知覚の違いがあるので、各被験者において各条件で等明るさの設定が必要となる。本実験の前にこの設定のための測定を行った。 現在までの実験結果においては、開口色モードと表面色モードにおいて、赤の等色相線も緑の等色相線もシステマティックな相違は見られていない。従来までの研究においては、純度が低い色領域では色票刺激と色光による等色相線に大きな相違はなく、スペクトル軌跡に近い高純度領域で色光による等色相線の湾曲が顕著になるので、そこでの測定が必要である。
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