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1997 年度 実績報告書

可視・近赤外半導体レーザの光注入による偏光双安定と論理素子への応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07650057
研究機関同志社大学

研究代表者

大田 建久  同志社大学, 工学部・電子工学科, 教授 (40066246)

キーワード可視光半導体レーザ / 近赤外半導体レーザ / 光注入ロツキング / TMとTEモード / 偏光スイッチング / 偏光双安定 / モードホッピング / 光論理素子
研究概要

半導体レーザの光注入効果の導波構造の影響について、昨年度までは特にバルク構造を有する近赤外半導体レーザについて研究を行った。そこで本年度は現在注目を集めている780nmおよび635nmMQW型半導体レーザについて、TE波注入を行った結果、前者ではマスターレーザの駆動電流のモードホッピングを伴わないある点でTM波及びTE波出力が共に同一方向に変化することが観測された。後者ではモードホッピングに依存して、両偏光波共に同一方向に変化することが観測された。しかしTM波注入において、いかなる変化も見いだされなかった。TE波注入特性に関する動作機構について、今後MQW構造の観点から詳細な検討が必要であるが、TM波注入に関する特性はTM波に対する増幅率が小さいためであると考えられる。
次にこれまで研究の対象とし半導体レーザの光注入による偏光スイッチング特性とその動作機構の特徴を明らかにするために、633nmHe-Neレーザの光注入による偏光スイッチング特性とその動作機構についても研究を行った。この研究の結果、半導体レーザのTEモードとTMモードの競合は、He-NeレーザのS偏光とP偏光モードの競合に比べて、結合係数Cが小さいことが判明した。この理由は半導体レーザでは、TEモードとTMモードの偏光特性が導波構造により定まるため、空間ホールバーニング効果が小さく、その結果C<1なる弱結合である。一方He-NeレーザではS偏光とP偏光は共振器の損失と位相の異方性により、2つの自然軸の方向に偏光が定まるが、この偏光面はそれほど明確なものではない。従ってC>1なる強結合の状態が生じる。その結果偏光出力は一つのモードのみが許される偏光スイッチングとなると考えられる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 大野 誠司: "モードホッピングを利用したTM偏光波法入半導体レーザにおける双安定偏光スイッチング" 電子情報通信学会論文誌 C-1. I-79C-1. 81-90 (1996)

  • [文献書誌] 大野 誠司: "光注入ロッキングを利用した半導体レーザの偏光スイッチングにおける導波構造の影響" 同志社大学理工学研究報告. 38-1. 9-20 (1997)

  • [文献書誌] 久保田 宗親: "630nmMQW型半導体レーザにおける光注入効果" 電子情報通信学会総合大会論文集. エレクトロンクス1. (1998)

  • [文献書誌] Tatehisa Ohta: "Optical polarigation switching and bistalsi City by inpection light in a 633nmHe-Ne Caser" CLEO/Pacijic Rim '95. Technical Digest. 293 (1995)

  • [文献書誌] Tatehisa Ohta: "Optical polarigation switching in a 633nmHe-Ne laser caiesed by injection locking" CLEO/Europe '96,Technical Digest. 116 (1996)

  • [文献書誌] 久保田 宗親: "外部光注入による633nmHe-Neレーザの偏光スイッチング機構" 電子情報通信学会技術報告. LQE97-147. 19-24 (1998)

  • [文献書誌] 大田 建久: "レーザ・量子エレクトロニクス 基礎と応用" 東洋技研, 378 (1997)

  • [文献書誌] 大田 建久: "可視.近赤外半導体レーザの光注入による偏光双安定と論理素子への応用" 東洋技研, 82 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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