研究課題/領域番号 |
07650064
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高井 義造 大阪大学, 工学部, 助教授 (30236179)
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研究分担者 |
生田 孝 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20103343)
木村 吉秀 大阪大学, 工学部, 助手 (70221215)
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キーワード | ホローコーン照明 / 超解像電子顕微鏡 / 球面収差補正 / 無収差観察 / 焦点位置変調型画像処理 |
研究概要 |
我々は電子顕微鏡の分解能を超解像化させるため幾つかの手法を開発中である。焦点位置変調型画像処理法、加速電圧変調法による実時間画像処理法、照射ビームの角度変調型超解像法等である。これら3つの手法はお互いに独自の長所を有しており、複合的な利用方法が望まれる。すなわち研究課題のホローコーン照明結像法は3番目の手法に分類されるが、1ないしは2番目の焦点位置変調効果加えて初めて超解像化が達成される。 本年度は超解像無収差結像の進展として研究発表1-6)(内4件は印刷中)、及び応用研究としてこれらの結像法を用いたダイヤモンド界面の原子構造解析に関する4編の研究発表を行った。 具体的な成果をまとめると以下の通りである。 1)現有のHoolw-cone照明法をより正確に行い超解像化を進めるためにコマ収差の新しい測定法を提案した。(研究発表1) 2)超解像法の原理と応用に関する招待講演を2つの国際会議で行った(研究発表2、3)。 3)超解像化の達成度を評価するために分解能を正確に評価する手法を提案した(研究発表4)。 4)無収差観察技術を実時間化させることに成功した。(研究発表5、6) また、これらの手法を用いた応用研究として界面構造解析を実施した。すなわち、 5)ダイヤモンド/ダイヤモンド界面の欠陥構造、不純物解析に成功した。 界面には過剰炭素によって形成されたと考えられる格子間原子型の転位ループが観察された。また不純物として鉄とシリコンが界面において検出され、成膜時の不純物混入と膜質の関係が議論された。成長膜中にも成長方位によって格子間原子型の転位ループが連なっている特異な欠陥構造が観察され、成長メカニズムとの関連が議論された。(関連論文3件) 6)鏡面シリコン基板上の初期成長ダイヤモンド粒の成長メカニズムを界面構造観察から推定した。すなわち格子欠陥によって発生したエッチピットが核発生点になっていることを明らかにした(論文1件)。 以上が本年度のおもな研究実績である。
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