研究概要 |
本研究は,強誘電性液晶を利用した光カオスニューロンに関する基礎的研究を行なうことを目的としている.具体的には,強誘電性液晶に固有なヒステリシス特性をニューロンの活性化関数に用いることにより,ヒステリシス特性とカオスの関係について調べ,さらに,そのようなアナログ光カオスニューロンから構成される自己想起モデルに対して,想起特性を検討し,カオスの役割について論じる. 初年度は,履歴特性を有する周期活性化関数を用いて,自己想起モデルを構築し,その想起能力を調べた.その結果,周期特性はカオスを安定に発生させ,その結果として制御が容易になることが確認された.さらに,履歴を考慮することにより,記憶率30%まで,完全な想起が実現されることが見出された.これは,従来の非カオスモデルの約3倍に相当する.また,次年度では,アナログ想起を実現するためモデルの拡張を行い,ニューロン間の結合行列を一般化することでアナログ想起にも有効であることが確認された.
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