研究概要 |
1.まず,表面拡散の平面解析シミュレーションプログラムを作成し,溝への配線金属埋め込みを実施した.本プログラムでは,差分法によって拡散方程式を解き,表面形状の変化を逐次求めた.表面点の数や時間増分について検討し,適切なシミュレーション条件を選択してリフロー過程の解析が可能であることを確認した.次に,上記プログラムを基に軸対称解析ができるように改造を行った.これによって実際のビア孔に近い円筒形孔周辺の配線金属表面形状の変化をシミュレーションできるようになった.平面解析(溝)および軸対象解析(円孔)ともに,リフローによる配線接続はビア孔のアスペクト比に強く依存することが判明した. 2.分子動力学による原子オーダーのシミュレーションを行うため,拡張系の方法による圧力・温度制御部を付加したプログラムを開発した.原子ジャンプに関する基礎的解析を実施し,良好にシミュレーションができることを確認した.また,体拡散についてのシミュレーションを行って,実験によって観察されている拡散定数と同程度の値を得ることができることを確認した.さらに,粒界拡散についてのシミュレーションを実施している.リフローで重要な表面拡散のシミュレーションには原子間ポテンシャルの選定が重要となるため,現在,多体ポテンシャルによるシミュレーションの予備解析を行っている.
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