研究課題/領域番号 |
07650107
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
中垣 通彦 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (90207720)
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研究分担者 |
萩原 世也 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (80198647)
堀江 知義 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (40229224)
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キーワード | 傾斜機能材料 / 破壊 / 熱応力 / 粒子分散モデル / セラミック / 有限要素法 / 熱衝撃 |
研究概要 |
本年度には、傾斜機能材料の構成相内での塑性化が構造内部に生じる応力に与える影響、すなわち応力緩和の解析に関する課題について解析し、特に亀裂がある場合の破壊強度への塑性化の効果に焦点を当てて計算力学法の開発と解析を示した。有限要素法を用いた解析では傾斜機能材料のマクロな弾塑性構成則が必要となるが、これを球状粒子分散モデルを等価介在物法を用いて理論的に導出を試みた。このようなモデルに対しては実験による検証が必要であるが、実験データがないため本研究ではマイクロメカニックス・モデルを用いて理論との比較を行った。それによれば、介在相の体積分率が高い場合には介在物粒子間の干渉効果のため、それを考慮していない理論モデルとマイクロメカニックス・モデルとの間にかなりの差を生じ、今一つ理論構成則の信頼性に欠ける。そのため、マイクロメカニックス解析結果から、温度と体積分率空間において応力-歪特性を補間するニューラルネットワーク・アルゴリズムを構築し、傾斜機能材料の弾塑性熱衝撃破壊の解析に用いた。本方法は任意の自由度を持つことが出来るニューラルネットワークの優れた汎化能力をパラメタの多い非線形材料の構成則の決定に効果的に利用したもので、十分な精度と信頼性がある。現時点では理論構成則がなく、解くことが出来ない非均質性の高いこの種の問題の非線形解析を許す計算力学解析法として、今後ますますその発展が期待される。
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