研究概要 |
平成8年度は以下の手順で非線形エレメントフリー法開発のための基礎研究および応用研究をおこなった。 定式化について (1)PatchとMappingにもとづくEnhanced Element Free Galerkin法の定式化を行なった。これにより従来のエレメントフリー法では不可能であった、異種材料の問題や曲面構造が取り扱えるようになる。また、この定式化に基づいて、材料非線形問題に対する適用限界について考察した。 (2)従来の移動最小自乗法(Moveing Least Square Interpolant,以下、MLSI)にかわる、新たな付帯条件付き最小自乗法(MLSI with COnstraint Condition,以下CLSI)に基づく、グリッドレス/メッシュレス法の定式化を行なった。これにより、従来のエレメントフリー法の短所であった煩雑な境界条件処理が大幅に改善され、精度も同程度に保たれる。 プログラミングおよび解析について (1)平成7年度に実施した幾何学的非線形性を考慮した変分原理の定式化に基づいて、膜構造に対するエレメントフリー法のプログラムを作成し、基本例題を通してその妥当性を検証した。 (2)新しい概念であるEnhanced Element Free Galerkin法に基づいたシェル構造のプログラムを開発し、自重を受ける屋根の問題を種々の境界条件や幾何学的条件下で解析し、手法の妥当性を検証した。 (3)CLSIに基づくグリッドレス法およびエレメントフリー法のプログラミングを行ない、2次元弾性問題を通じて、その妥当性を検証した。
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