研究概要 |
1)分散協調問題解決および並列処理に関する国内外の研究を調査した.この結果,分散協調問題解決は部分問題を解決するエージェント同士が,契約,衝突,調整,委任などのコントロールをもとにシステム全体の問題を解決して行くアプローチで,並列処理に向き,資源配分問題などの最適化問題に適応できることがわかった. 2)平成6年4月に導入した並列計算機の利用技術を習得し,並列計算のための環境を整備した. 3)構造解析と最適化のための同期および非同期並列のアルゴリズムを研究した.この結果システムの要素数が多くなった場合には非同期型のアルゴリズムが有用であることがわかった. 4)これまでに構築した1プロセッサ用の構造解析と最適化のための第1世代の知識ベースを並列処理に適応できるよう変更し,並列処理言語で記述し,並列計算機で動作の確認を行い,並列処理により生じる新たな問題を解決し,これを第2世代の知識ベースをと名付けた. 5)開発手法は平衡状態の漸近的達成であり,計算時間は長い.これを解決するため,各要素の知的水準を上げ,収束の高速化に関する知識を追加した.基本的な考え方は,剛体移動部分の判断と切放しと再構成の知識の追加,荷重伝播の知識の追加,そして加速係数の学習メカニズムの追加である.これらの知識増補を行ったものを第3世代の知識ベースとした. 6)第3世代の知識ベースを基に種々の解析を行い,提案手法の評価および適用範囲の検討を行った.また,これらの結果を学会発表や論文投稿などで公表した. 7)分散並列最適化の研究に移行するための準備として,並列最適化に関する国内外の研究を調査した.
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