研究概要 |
1 研究によって新たに得られた知見等 短辺3mmで縦横比10の長方形オリフィスからの噴流中に直径3mm,10mm,20mmの円柱を設置した場合について実験を行った。なお,比較のため二次元噴流と円柱の干渉についての実験も行った。 (1)煙法および油膜法による流れの可視化結果より,衝突距離や円柱径により明確に変化する流れ様式についての特徴を分類することができた。 (2)円柱まわりの平均圧力分布の結果より,はく離位置の変化等円柱表面における流れの三次元性の影響を明らかにした。また,変動圧力特性と近寄り流れを近似する自由噴流の乱れとの関連が示唆された。 (3)近寄り流れや衝突後の乱れ特性,物体上の変動圧力等について,主要設備備品「データーレコーダ」の使用により適確な測定条件を吟味できることが示唆された。 2 今後の研究の展開に関する計画等 複雑流路径の三次元乱流であるため,系統的に実験を積み上げることが必須である。長方形噴流を効率的かつ安全に工業の各分野へ応用する際の指針となる基礎資料としてまとめることを目指す。 (1)データーレコーダを熱線風速計および圧力変換器と併用してデータを取得,計算機処理し,円柱および平板への衝突噴流の流れ特性を調べる。噴流の可視化により流れ様式分類の適否を再確認する。 (2)流れ場の速度・広がりなど平均的性質について実験式を得るとともに,かかる流れ場を特徴づける主因と考えられる乱流混合機構の変化を明確にする。
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