研究概要 |
一体回転するハウジングとロータ間の準剛体回転流を用いた新方式分級について理論的および数値的に考察した結果,以下の新たな知見を得た. 1.分級性能に及ぼすスチュワ-ソン層流れの影響について (1)貫流量が一定の場合,回転級を増大させると分級性能は向上する.これは,回転数が増大すると,粗粒子と細粒子がスチュワ-トソン層を通過する間に受ける遠心力作用の差が増大するためである. (2)回転数が一定の場合,貫流量を減少させると分級性能は向上する.これは,貫流量が減少すると,粗粒子と細粒子がスチュワ-トソン層を通過する速度が減少し,遠心分離作用を受ける時間が長くなるためである. 2.エクマン層流れでの粒子軌道の分離について (1)スチュワ-トソン層だけでなくエクマン層においても軌道分離を促進することが,性能向上に有効である. (2)エクマン層に接する壁の傾きおよび曲率半径を大きくすれば,エクマン層流れでの軌道分離は促進される. 3.粗粉産物の連続抽出について (1)ハウジングの最大半径部分から抽出を行うと,無抽出の場合には剛体回転領域であった流れ領域が,エクマン層と内部領域に変化する. (2)抽出量があまり大きくなると,原料粉体を含む流れが抽出されるようになり,分級の鋭さが極端に悪化する.それゆえ限界の抽出量が存在する. (3)限界抽出量未満であれば,分級の鋭さは無抽出の場合に比べてそれほど悪化しない.
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