本研究では実験と数値計算から、気流の速度分布とその乱れに対する粒子の影響を検討した。実験は直径79.8mm、管長7.5mの水平管路において平均粒径1.6mm、密度1024kg/m^3のポリスチレン粒子を使って、粒子速度、気流速度、気流乱れ等をLDVで測定した。粒子軌跡の計算はラグランジュ法を使って、粒子間の衝突、粒子と壁との衝突および粒子の回転を考慮して行った。気流はオイラー法を使って、気流速度変動の相関項はk-εモデルによって計算し、気流と粒子抗力の変動相関項は粗大粒子に適用できる固気相互作用計算モデルを提案して計算した。計算条件は実験と同じように設定した。計算結果は実験結果とほぼ一致している。また、公表されている実験結果も本計算モデルによってほぼ一致した結果が得られた。従来の実験的研究によって、微小粒子は気流乱流強度を抑制し、粗大粒子は促進することが示されている。本研究は理論と数値シミュレーションによってこの結果を証明し、粗大粒子群と気流の乱流の相互作用に対して一つの計算方法を提案した。更に、水平管内低濃度固気二相流に対して次の結論を得た。粒子濃度は一般に管底に向かって増加するが、粒子速度も管底に向かって若干増加する場合があり、本計算によっても説明された。また、本計算で付加圧力損失も予測でき、実験と一致した。
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