ラグランジ的追跡による火山灰とシラスの河川内堆積分布の推定と河川氾濫の予測

1995 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 07650215
• 研究種目: 一般研究(C)
• 研究機関: 鹿児島大学
• 研究代表者: 鳥居 修一 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (30180201)
• 研究分担者: 矢野 利明 鹿児島大学, 工学部, 教授 (60002052)
• キーワード: シラスム / 火山灰 / 河川改修 / 固液二相流 / 数値解析 / 乱流モデル

研究概要

河川を模擬した実験装置の製作と対応する数値計算コードの作成は、実際の河川は曲っていたり、狭くなったり、幅広くなったり、深くなったりしているので困難である。そこで、先ず第一段階として、曲りのない2次元流路の実験装置と対応する計算コードを完成させた。
曲りない2次元流路は実際の河川でも存在するが、河川内に岩、堤防、橋の存在は流れの2次元性を失う。従って、そのようなものがない一様断面の流路を作製した。また、流体が流路内を流れる際、その2次元性が十分保持されるように流路上部にサージタンクと整流格子を取り付け、流れをCCDカメラを用いてモニターした結果、流れの2次元性は十分に保持的ていることが確認された。
計算コードの検証として、流体力学的に十分に発達した2次元開水路流れを計算した結果、開水路乱流の平均速度分布は既存の実験結果と壁法則とよく一致することが確認できた。“粒子の壁に付近での取り扱い"、“レイノルズ応力場での粒子の運動の記述"、“壁面摩擦による粒子運動量の減衰"、に関して、既存の報告例をそのまま使用した結果、採用した結果によって流路内の火山灰や砂の堆積分布の数値結果が大きく変化することが分った。そこで、上記の取り扱いに関して、再検討する必要がである。また、粒子を扱う解析では、壁近傍での粒子の挙動が重要であるので、計算時間と予測精度を満足させる格子点数を決定した。

研究成果

• [文献書誌] Shuichi TORII: "Numerical Prediction on Fully Developed Turbulent Swirling Flows in an Axially Rotating Pipe by Means of a Modified k-ε model Turbulence Model" Journal of Numerical Methods for Heat and Fluid Flow. 5. 175-183 (1995)
• [文献書誌] Shuichi TORII: "A Numerical Prediction on Fully-Developed Swirling Flow in An Rotating Pipe by Means of a Modified k-ε Turbulence Model" Proceedings of First Asian Computational Fluid Dynamics Conference. 3. 1049-1053 (1995)
• [文献書誌] Shuichi TORII: "Penetration of an Injected Gas-Particle Mixture into a Melt" Flow Visualization and Image Processing of Mult Flow System. 209. 137-144 (1995)
• [文献書誌] Shuichi TORII: "Heat Transport in a Two-Dimensional Turbulent Couette Flow" Numerical Methods in Laminar and Turbulent Flow. XI. 620-631 (1995)
• [文献書誌] Shuichi TORII: "A Numerical Analysis on Flow and Heat Transfer in Entrance Region of an Axially Rotating Pipe" International Journal of Rotating Machinery. 2. 123-129 (1995)
• [文献書誌] Shuichi TORII: "A Numerical Study on Turbulent Couette Flow and Heat Transfer in Concentric Annuli by Means of a Reynolds Stress Turbulence Model" International Journal of Rotating Machinery. 2. 131-138 (1995)