河川を模擬した流路(但し、橋等の河川内に存在する障害物のない理想的な一様断面を持つ2次元流路)を作製し、それを用いて実験を行なった。流路入口の流量を一定にしても、流路傾斜によって流速が異なる。そこでここでは、流路の傾きを0.5度に固定した。これにより、流れ場に及ぼす流路傾斜の影響を無視した。火山灰は粒径・粒形がそれぞれ異なっているので、これを用いても有用な知見を得ることはできない。そこで、粒径が同じで、球形であるポリプロピレン粒子を火山灰の替りに使用した。これを使用する最大の利点としは、ポリプロピレン粒子の密度が作動流体である水とほぼ同じであるので、ポリプロピレン粒子は水の流れに追随して移動することが考えられる。従って、ポリプロピレン粒子の動きから流れ場の速度分布を予測することができる。 粒子を混合した流体を流路に流し、これを写真撮影した結果、ポリプロピレン粒子同士が密着する現象が観察された。これはポリプロピレン粒子の特徴と考えられる。但し、得られた写真を見る限り、ポリプロピレン粒子が密着しているものはあるものの、流れ場に浮遊する粒子の分布はほぼ均一であることが分かった。 k-ε乱流モデルを用いた計算コードを作成して、これを2次元流路に適用した。その結果、粒子が流れ場に添加されていない単相流における速度分布と乱流エネルギーの分布はほぼ乱流の特性を示していることが分った。
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