研究概要 |
平成7年度においては,試験片(キャビテ-タ)として代表的な剥離渦流れを呈する円柱および三角柱を用いた。円柱については,渦キャビテーション気泡・崩壊挙動の3次元的特徴を明らかにするため,主流方向およびスパン方向観察用試片の2種類について行った.3角柱については,特に高速流れ用とした試験流路を作成し実験的研究を行った. 気泡衝撃圧と様相観察の同時観察のシステムを,特に高衝撃性の気泡形態の解析を目的としたトリガーレベルの調整機能を考慮したものを構築し,上述の試験片について計測した.その結果,渦キャビテーションの気泡崩壊過程に大きく分けて3種類あることをあきらかにした.すなわち,A)壁面よりやや離れた位置において準球状的に収縮崩壊運動を行うもの,B)壁面に付着した形で非状的に壁面方向へ衝突するように収縮崩壊運動を行うもの,C)渦キャビテーション気泡の細長い形をほぼ保ったまま崩壊運動するもの,である.この形態と衝撃効果との詳細な検討が次の課題である.また,壁面近傍で渦キャビテーションは流れ中に比して特異な挙動を示すこと,壁面に垂直方向の回転軸をもつ渦キャビテーション気泡形態が衝撃力が特に強いことなどを実験的に明らかにした.キャビテーション衝撃圧測定用センサーを作成しており,衝撃圧測定の際,問題となる衝撃レベルについては専用のフィルターを作成し検討を行っている. 主目的である渦キャビテーション気泡の衝撃発生機構の解明について,崩壊時近傍の高速度ビデオ撮影および崩壊時に発する衝撃力の同時計測が行われ,それらの結果をられ,国際会議1件,講演発表2件という状態で順次論文の形にまとめている.
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