研究概要 |
空調装置やトンネルなどのようにダクト開口端からの騒音低減は,環境問題でも重要な課題の一つになっている.以下の研究実績はダクトからの騒音低減に対する数値シミュレーションに関している. まず,ダクト内部に膨張型空洞部を設け,その空洞部長さを変化させ,ダクト内部音場特性を調べた.その結果,空洞部長さが半波長の正数倍において,透過波の音圧レベル低減量が極大となることがわかった.このことは,平面波理論から単純に決まる減衰特性と大きく異なる.これに関しては「ダクト内の空洞部による音の低減」と題して機械学会論文集に発表した.次に,ダクト形状変化によって発生する高次モードの音波とその音場をカットオフ周波数と関連づけさらに流れの影響を取り入れて数値解析した.この問題に関し,「断面積変化によるダクト内部の高次モード波の発生」と題して第9回数値流体力学シンポジウム講演会にて発表した.さらに,ダクト開口端に空洞部を取り付けることにより外部放射音場への音の低減が,特に特定の空洞部深さにおいて有効であることを明らかにした.これについては,日本機械学会関西支部定時総会講演会において「外部放射音場に及ぼす開口端形状の影響」と題して発表した.また,防音壁による騒音低減に関連し壁の形状変化による音場特性を調べ同上の講演会において「防音壁の形状変化による音場の数値シミュレーション」と題して発表した.
|