研究概要 |
2個の1:3の長円形噴流(相当直径D=14mm)を平板上に衝突させた場合の衝突熱伝達特性を実験的に調べた.非円形は噴流の渦輪が流れ方向にひずむことより混合および熱伝達率が著しく促進されると推察され,乱流制御の可能性が高い.噴口の間隔Lを変化させて噴流と噴流との干渉,噴流と流出流との干渉の程度を変えた場合の,油膜法による平板上の流れの可視化,噴流の発達過程における速度場,また熱電対による平板表面の温度測定より求めた熱伝達率分布,および赤外線映像装置による全表面のリアルタイムの温度場測定を行った.これらの測定結果よりつぎることが分かった.噴口の間隔が小さい場合には両噴口の干渉が大きく,長軸方向への流出流の影響が大きくなり,十字形に広がる流れ場となる.等熱伝達率分布も流れ場と対応する.噴口と平板との距離が大きくなると各噴流は“axes switching"を起こし,岐点(中心部)近くで短軸方向に流跡および高い熱伝達率域が広がる.外縁では流跡・等熱伝達率分布とも円形となり単一噴流の場合と同じとなる.一方大きい噴口間距離では,平板上の外縁部から長・短軸が入れ替わり,噴口と平板の距離が増大するにつれて,中央部の軸が入れ替わる.これらの様子は油膜の流跡および等熱伝達率分布に現れ,両者は良い対応を示した。平板上の全表面温度を2次元アレイ型インジウム・アンチレン(InSb)を用いてリアルタイムで測定した.リアルタイムレコーダーに取り込み,熱画像処理をし.ビデオコピープロセッサーにより鮮明な全面の温度分布を得た.噴口間の間隔,噴口と平板との距離による温度分布の差異が明らかとなり,噴流群の基礎資料となる.また非円形噴流として,長円形噴流の下流方向への渦輪のひずみと異なる十字形噴流との比較も試みた.これらの結果を日本機械学会の講演会(1995年11月18日)および4th Asia Symposium on Visualization,1996,May 15-18,(Beijing.Chaina)で発表する.
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