研究概要 |
昨年度の理論的検討に引き続き実験的検討を行った.結果は以下の通りである. 1.一端をガタをもって固定された片側4枚の板ばねを両側から重ね合わせ,中央に質量を取り付けた後,たわませた構造の飛び移りダンパを作成した.まず,ダンパの静的剛性および平衡点での固有振動数からモデル化を行った.次に主系として片持ちはりを1自由度系とみなし,これにダンパを取り付け,インパクト加振による自由振動実験および不つりあいモータによる強制加振実験を行った.なお,減衰特性を理論解析通りに設定することは困難であったので,最適解の確認までには至らなかった. 2.自由振動実験では理論モデルによるシミュレーションと概略同様な応答を得て,制振効果を確認した.ただし,大衝撃力の場合ではモデル化の問題もあるが,解析結果よりも初期段階で振動抑制効果がより顕著にみられた例があった. 3.強制実験でもダンパの制振効果を確認することができた.また,振動抑制効果が現れている領域でカオス振動が起こっていることを確認した. 以上により,最適解の確認までには至らなかったが実験的にも本ダンパの制振効果を確認した.
|