本年度は、粒子マイクロセンサーを構成する基本寺領と基本原理関する基礎実験を行うことを主目的として、研究の開始以来、高圧タイプと低圧タイプの2種類のマイクロ圧力センサーを構成する材料の選択及び結晶又は薄膜製造方法の決定を行って来た。 その結果、高圧タイプは圧電特性を示すダイヤモンド結晶を用いてひずみセンサーへ適用することが可能であるという結論を得た。しかし、人工ダイヤモンドは圧電特性を示すが、ひずみに対する線形性及び安定性に門だおがありそれを解決することが必要であり次年度に継続して検討を加える。 低圧タイプの圧力センサーは従来Siを用いたものが主であったが、温度特性及び製造プロセスの問題があり、本研究では環境温度に対する安定性とさまざまな基板上に製造することが可能であるという観点より、ZnOの薄膜を用いることにした。センサーとしてZnO薄膜を用いる場合、良好な配向性を必要とする。そのための膜製造プロセスの条件の抽出を行った。 非配線の原理としては、磁場を用いることを検討しその基本原理について検討を行った。 これらの基本原理の検討においては、有限要素法による構造計算及び磁場解析を用いて基本特性の検討を行い、実験の効率化を図っている。 本年度の研究の結果以下のような問題点が生じ、今後これらの点について検討を加えて行く。 ダイヤモンド材料の圧電特性の非線形性が出る。また、低圧タイプのセンサーでは、製膜条件を決定する段階は終えたが、膜センサーとしての試作までは至らなかった。これは、膜を保持しかつ電圧の取り出し方法に関する検討に時間がかかっていることによる。 さらに、製膜装置及び評価装置を借用しているために、使用時間が限定され、効率よく研究を遂行することが困難であると言う人為的な問題もある。
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