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1997 年度 実績報告書

皮膚の機械的変形特性を利用した情報処理に基づく触覚センサ

研究課題

研究課題/領域番号 07650313
研究機関静岡理工科大学

研究代表者

大岡 昌博  静岡理工科大学, 理工学部, 助教授 (50233044)

キーワードロボット工学 / 触覚センサ / 光導波路 / 三軸力検出 / 心理物理実験 / 段差識別 / ニューロンモデル / マニピュレータ搭載
研究概要

ロボットがヒト並の知的な作業を行う上で有効な触覚センサを開発することを目的として,前年度に引き続き光導波形触覚センサの高機能化と高精度化を行った.本年度は,触覚センサ搭載マニピュレータを使用して表面性状を知覚する実験を行った.さらに,ヒトに対して別途実施した心理物理実験の結果から,表面性状を知覚するための神経回路モデルを定式化した.実験によってこのモデルが金属表面上に設けた段差の識別に有効であることを確認した.以下に本年度の主な成果をまとめる.
1.マニピュレータに搭載した触覚センサのセンシング面をそれそれ0.05,0.1,0.2mmの段差のある三枚の金属板表面と段差のない金属表面に押しつけて表面上を走査させる実験を実施した.水平力と垂直力の比から摩擦係数を計算したところ,段差のあるなしに関わらず同一の摩擦係数が得られたため,本センサは物体表面の摩擦係数を計測できることがわかった.
2.段差の位置に対応した座標値で垂直力がステップ関数状に変化する現象が認められた.ステップの幅の比を計測したところ,金属表面の段差値の比とよく一致した.したがって本触覚センサは,金属表面に設けた0.05〜0.01mmの段差を識別できる能力があることがわかった.
3.ヒトに微少段差を触れさせて弁別閾を求めたところ,触運動速度に依存せず閾値は一定値を保つことがわかった.この実験結果に基づき,空間可算と時間可算の機能を組入れた単一ニューロンのモデルを考案した.さらに有限要素法によるシミュレーション結果をこのモデルに入力して有効性を確認した.
4.触覚センサで計測した垂直力を上述のモデルに入力したところ,段差の大きさに比例してニューロンの神経発射密度が増加することがわかった.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 大岡昌博: "光学式マイクロ三軸触覚センサ(拡大モデルによる原理の検証)" 日本機械学会創立100周年記念講演会IMPT-100講演論文集. No.97-14. 693-698 (1997)

  • [文献書誌] M.Ohka: "A Micro Optical Three-axis Tactile Sensor(Validation of Sensing Principle Using Models)" Int.Conf.on Micromechatronics for Information and Precision Equipment. No.97-207. 783-788 (1997)

  • [文献書誌] M.Ohka: "Surface Texture Acquisition Using a Robot Manipulator Equipped with an Optical Three-Axis Tactile Sensor" The Third ECPD Int.Conf.on Advanced Robotics,Intelligent Automation and Active Systems. 170-175 (1997)

  • [文献書誌] 大岡昌博: "光学式マイクロ三軸触覚センサの感度特性" 日本機械学会第75期通常総会講演会. (発表予定). (1998)

  • [文献書誌] 大岡昌博: "ヒトの触覚による表面粗さ弁別機構の数理モデル" 日本機械学会第75期通常総会講演会. (発表予定). (1998)

  • [文献書誌] 五十嵐伊勢美: "マイクロ・オプトメカトロニクス・ハンドブック" 朝倉書店, 502 (1997)

  • [文献書誌] 日本機械学会: "挑戦:知能化する機械" 養賢堂, 285 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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